
「ちょっと遅れるね」のLINEが増えてきた
ついこの前まで、「門限までには帰ってきてね」と言えばきっちり守っていた娘。
でも最近は、門限の時間になっても帰ってこない。
「ごめん、ちょっと遅れるね」とLINEが入るようになりました。
最初は「今日はたまたまかな?」と思っていたのですが、それが何度か続くようになってきて…。
内心モヤモヤしつつも、何が変わってきたのだろうと考えるようになりました。
実際の出来事とそのときの気持ち
ある日も、門限の18時を少し過ぎても帰宅せず、「あと10分くらいで帰るね」とLINEが入りました。
特に用事があるわけではなく、友達と話していて時間を忘れていたとのこと。
娘はニコニコしながら帰ってきたけれど、私は心の中で「なんで?前はちゃんと守ってたのに」と不安と苛立ちが混ざったような感情が…。
「最近、時間にルーズになってきたのかな?」「反抗してるの?」と色々な思いがよぎりました。
なぜ帰りが遅くなるの?
思春期の自由を求める心理
最初は「時間を守らないのはなぜ?」と戸惑いました。
ルールを守るのは当たり前だと思っていたからです。
私の娘はある日、「もっと自由にしたい」と言いました。
そのとき私はハッとしました。
振り返ると――
- 門限があり
- 「ご飯食べて」「お風呂入って」と毎日の声かけ
- スマホ使用は〇時まで
- 習い事の予定もあり
- 学校にも毎日行くよう言われている
娘にとっては、自分の意思で動ける時間がほとんどなかったのです。
「自由にしたい」はワガママではなく、
“自分の時間を自分で決めたい”という、自立へのサインだったんです。
責めるより、「どう過ごしてきたの?」と聴く姿勢を意識するようになりました。
自由を求める心理に親ができることは、行動を否定せず、背景を聴くことです。
口うるさく言うより、本人のペースを尊重するほうが、信頼関係はむしろ深まります。
「家に帰る時間」ではなく、「帰りたくなる家庭」をどう作るか――視点を変えてみるのも一つの手なのかもしれません。
友人関係を優先したい気持ち
中学生にとって、友達の存在はときに家族以上に大きな意味を持つことがあります。
「所属意識」が強くなり、次のような行動が増えがちです。
- 放課後にダラダラとおしゃべりしたがる
- 帰るタイミングを友達に合わせてしまう
- 「空気を壊したくない」と言い出せず、遅くなる
私の娘も、門限の直前になってバタバタと帰ってきて、「少し遅くなる」とだけ言って、またすぐに出ていくことがありました。
親としては「ちゃんと約束を守ってよ」と言いたくなる場面です。
でも、その行動の裏には、「ひとりになりたくない」「仲間外れになりたくない」という気持ちがあるんだと、ある日ふと気づいたんです。
そして、さらに…
私自身の心の中にも、「子どもはきちんとしていてほしい」「親の心配は当然」という“正しさ”があることに気づきました。
「娘の行動にイライラするのは、予定どおりに進まないことに私が不安を感じていたからかもしれない」そう思えたとき、少し気持ちがラクになりました。
大切なのは、「帰りが遅い=悪いこと」と決めつけないこと。
まずは、
- 誰と過ごしていたのか
- どんな時間だったのか
を、責めるのではなく、聴く姿勢で聞く。
親が“責める人”ではなく、“聴いてくれる存在”になったとき、子どもも少しずつ心を開き始めるのではないかと思いました。
家で過ごすよりも外が楽しい時期
思春期は、自分の世界を広げたいという欲求が強くなるのかもしれません。
外で過ごすことが刺激になり、帰宅が遅くなるのかなと・・・。
- 友達との会話がとにかく盛り上がる
- ちょっとした寄り道にワクワクする
- 家に帰ると「やるべきこと」が待っているため気が重い
ある日、スーパーの帰りに、娘がコンビニの前で友達と笑い合っている姿を見かけました。
時間は19時を過ぎていましたが、その笑顔があまりにも自然で楽しそうで、思わず声をかけるのをやめました。
「こういう時間が娘にとってのリセットなんだ」と、心が少しやわらぎました。
この時期は、家が「くつろぎの場」ではなく「義務の場」になりやすいのではないかと思います。
それを責めるより、
- 家での過ごし方を少し変えてみる
- 「帰ってきたくなる空気」をつくる
ことが効果的です。
娘にとって家が“帰りたい場所”になることが、帰宅時間の改善につながります。
親も「ゆるやかに見守る」ことを学び中
思春期の子どもの行動には、はっきりした理由が見えないことも多いです。
でも、信頼と愛情をベースにしながら、少しずつ「親から自立する過程」を支えていくのが、今の私の役割なのかもしれません。
「ちゃんと見ているよ」「でも、もうあなたの世界も大事にしていいよ」
そんなメッセージを込めて、今日も娘の帰りを待っています。
読んでくださったあなたも、「なんで?」と悩む日があるかもしれません。
でも、親の言葉や気持ちは、案外ちゃんと届いているものですよ。
一緒に、ゆるやかに見守る親でいられたらいいですね。

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